消費者契約法の改正

先週(6月8日)、消費者契約法の改正案が参議院で可決され、来年6月から施行されることになりました。

  <追記:本日6月13日、成人年齢を18歳とする民法改正案が成立し、2022年4月から施行されることになりました。
   消費者契約法の改正は、この成人年齢の引き下げを踏まえた対策の一つと言えます。>

この改正法の概要は次のような内容ですが、特に下記「C」の「困惑類型」の追加が画期的と思われます。

この困惑類型の追加により、(朝日新聞によると)【就職や容姿などについて不安をあおることや、恋愛感情を悪用した「デート商法」を不当な勧誘と定め、契約を取り消せる】ことになります。

事業者の方は、施行される来年6月までに、この改正法を踏まえた契約・約款の改訂や、事業実施方法の見直しが必要でしょう。
特に困惑商法だけでなく、Aの一般的な原則D.の無効となる契約条項類型の追加の定めも十分理解した契約改訂が必要と思われます。



改正消費者契約法の概要
-「消費者契約法の一部を改正する法律案要綱」(法務省)から抜粋・要約-

A.事業者の努力義務に関する改正(第3条第1項)

1.事業者は、消費者契約の内容が、その解釈について疑義が生じない明確なもので、かつ、消費者にとって平易なものになるよう配慮するよう努めなければならない

2.事業者は、物品、権利、役務その他の消費者契約の目的となるものの性質に応じ、個々の消費者の知識及び経験を考慮した上で、消費者契約の内容についての必要な情報を提供するよう努めなければならない


B.不利益事実の不告知に係る要件の改正(第4条第2項)

故意」に告げなかったこととされている要件を、「故意又は重大な過失」によって告げなかったこととする


C.困惑類型の追加(第4条第3項)

1.当該消費者が、社会生活上の経験が乏しいことから、社会生活上の重要な事項又は身体の特徴若しくは状況に関する重要な事項に対する願望の実現に過大な不安を抱いていることを知りながら、その不安をあおり、正当な理由がある場合でないのに、物品、権利、役務その他の当該消費者契約の目的となるものが当該願望を実現するために必要である旨を告げること

2.当該消費者が、社会生活上の経験が乏しいことから、当該消費者契約の締結について勧誘を行う者に対して恋愛感情その他の好意の感情を抱き、かつ、当該勧誘を行う者も当該消費者に対して同様の感情を抱いているものと誤信していることを知りながら、これに乗じ、当該消費者契約を締結しなければ当該勧誘を行う者との関係が破綻することになる旨を告げること

3.当該消費者が消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示をする前に、当該消費者契約により負うこととなる義務の内容の全部又は一部を実施し、その実施前の原状の回復を著しく困難にすること。

4.3を除くほか、当該消費者が消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示をする前に、当該事業者が当該消費者契約の締結を目指した事業活動を実施した場合において、正当な理由がある場合でないのに、当該事業活動が当該消費者のために特に実施したものである旨及び当該事業活動の実施により生じた損失の補償を請求する旨を告げること。


D.無効とする消費者契約の条項の類型の追加(第8条、第8条の2)

1.第八条の規定において、無効とする条項(事業者の損害賠償責任を免除する条項)に、事業者にその責任の有無及び責任の限度を決定する権限を付与する条項を追加する。

2.第八条の二の規定において、無効とする条項(消費者の解除権を放棄させる条項)に、事業者に消費者の解除権の有無を決定する権限を付与する条項を追加する。

3.無効とする消費者契約の条項として、事業者に対し、消費者が後見開始、保佐開始又は補助開始の審判を受けたことのみを理由とする解除権を付与する消費者契約(消費者が事業者に対し物品、権利、役務その他の消費者契約の目的となるものを提供することとされているものを除く。)の条項を追加する。



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ビジネス・ロー・ジャーナル誌解説記事「損害賠償」

ブログの更新が数日間出来ませんでした。

仕事がかなり立て込んでいて、今も青息吐息です。

そこで、今日は、お知らせを1件だけ書こうと思います。

ビジネス・ロー・ジャーナルという月刊のビジネス法律雑誌があります。

その雑誌に、これまで3回ほど解説記事を書かせていただきましたが、この度、2011年4月号(2月21日頃発売のはずです)に、「損害賠償請求をめぐる攻防」と題する特集が組まれ、その中で責任制限のために契約でどのような条項を設け、交渉をどのように進めるか、という内容の解説記事を書かせていただくことになりました。

損害賠償の問題というと理論的な部分も多く、今現在原稿と格闘している状態です。
解説の中心は、単に例えば「損害賠償額の予定」を規定するとか、賠償額を「対価上限」とするといった損害賠償そのものの定めのみを考えるのではなく、債務の範囲、リスクの分担という広い視点で考えていくべきではないか、という点にあります。

詳細はこれから詰めるところです。

是非、ビジネス・ロー・ジャーナル誌を多くの方に読んでいただけたらと思っております。

  ビジネス・ロー・ジャーナル誌ホームページはこちらです。

取り急ぎ、ご報告まで。

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プロフィール

寺村淳/寺村総合法務事務所

Author:寺村淳/寺村総合法務事務所
契約書(英文・和文)の作成や翻訳をやっております。

英文契約書の作成や翻訳の仕事に関して考えたこと、悩んだこと、その他のぼやきなどを書こうと思います。


早稲田大学オープンカレッジ主催
契約書の実務
契約実務の基礎と条項別問題点

(次回は 2019年 01/24, 01/31, 02/07,02/14, 02/21)



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英文契約の実務-基本読解編-

2018年10月4日~(終了)

(次回は、2019年 10/9, 10/16, 10/23, 10/30, 11/6, 11/13の予定)



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