ビジネス・ロー・ジャーナル誌解説記事「損害賠償」

ブログの更新が数日間出来ませんでした。

仕事がかなり立て込んでいて、今も青息吐息です。

そこで、今日は、お知らせを1件だけ書こうと思います。

ビジネス・ロー・ジャーナルという月刊のビジネス法律雑誌があります。

その雑誌に、これまで3回ほど解説記事を書かせていただきましたが、この度、2011年4月号(2月21日頃発売のはずです)に、「損害賠償請求をめぐる攻防」と題する特集が組まれ、その中で責任制限のために契約でどのような条項を設け、交渉をどのように進めるか、という内容の解説記事を書かせていただくことになりました。

損害賠償の問題というと理論的な部分も多く、今現在原稿と格闘している状態です。
解説の中心は、単に例えば「損害賠償額の予定」を規定するとか、賠償額を「対価上限」とするといった損害賠償そのものの定めのみを考えるのではなく、債務の範囲、リスクの分担という広い視点で考えていくべきではないか、という点にあります。

詳細はこれから詰めるところです。

是非、ビジネス・ロー・ジャーナル誌を多くの方に読んでいただけたらと思っております。

  ビジネス・ロー・ジャーナル誌ホームページはこちらです。

取り急ぎ、ご報告まで。

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英語の勉強方法/Japan Times Weekly(ジャパン・タイムス・ウィークリー)

英語力を付けるための方法には、みなさん色々と工夫されているものと思います。

私の場合、特に、英文の「読み書き」が大切なので、とにかく読む英文量を増やすことに専念していました。

読んだのは、ジャパン・タイムス・ウィークリー(以下「JTW」)です。

最初読みまじめた頃は、1時間かかってもタブロイド版の同紙を1~2ページしか読めませんでした。
同紙は、1ページで約1100字位だと思いますので、とてつもなく遅い!ということになります。
もちろん、辞書を引いたりしていたので仕方ない部分もありますが、英文契約を担当するにはちょっと力不足という感じでしょう。

その後、「必ず毎週全ページを読み切る」ことを決心し、3年ほどそれを続けました。
最初は前号の半分しか読んでいないのに次号が来てしまい、土日ずっと英文を読んでいたことも多々ありました。
この間、毎年50週、文字数として、1100字×20ページ×50週=110万文字、これにダン・ブラウンの小説など5点位を加え、年間200万文字を読んでいました。

その3年が経過した後、大体20分で3頁位を読めるようになりました。
1分あたりだと165字になりますが、これくらいになると、英文契約の読解・作成スピードが飛躍的に向上したように記憶しています。

もちろん、契約書で使われている単語・熟語と、新聞で使われているそれとは大いに異なります。
でも、契約等の英文の読解には、動詞をいち早く見極められる力、および過去分詞や現在分詞の掛り方を見極める力が最も重要だと思います。
その練習材料として、JTWは非常に適していたように思います。

なお、日本人が書いた英字新聞がありますが、基本的にこれは避けた方が良いと思います。
JTWにも日本人の書いた記事もありますが、どうも簡単に読めすぎてしまうようです。上記の分詞構文の用い方などが、どうしてもネイティブのようにはならず、従って文章としては単純・明快・簡単なものになってしまうようです。

もちろん「新聞」として見れば、わかりやすく書いてあるのですから、それで良いのですが、英語の勉強という観点からは、少し物足りなくなります。

この点から見て、特に日刊の英字新聞の場合、日本人の書いた文章が多くなりがちですので、どうしても易しくなってしまうようです。
また、日刊だと分量も多いので、全部を読み切ることはとても難しいでしょう。

ですから、勉強のためには、ネイティブが書いた文章が多いJTWや、週間のTIME、NEWS WEEKなどがお勧めです。

特に、JTWは3か月ごとに購読でき、月額1050円(昨年までは950円)なので、特にお勧めです。
(TIME等は、年間購読しないと安くならないのが難点です。)

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動産売買に関する国連条約(ウィーン売買条約)

有斐閣「ジュリスト」1月1日・15日合併号に、龍谷大の中田邦博教授の「契約法の国際化」という解説が掲載されていたので、拝読してみました。
国際的動向と民法の改正の関連性などについての解説でした。

ちなみに、国連動産売買条約(ウィーンで採択されたためウィーン売買条約ともいいます)は、採択された1980年から30年が経過し既に各国で批准が進んでいたのですが、日本では、2009年にようやく発効したものです。

この条約が日本においても発効した結果、それがいわば国際取引に関する「一般法」の役割を有するため、日本国企業が当事者となる国際契約の多くの場合、契約書に特約を入れていない部分については、この条約の定めが適用されることになります。

しかし、条約の中身がどのようなものかについては、あまり広く知られているとは思われません。
大企業で且つ多数の法務部員を有する会社や、国際取引を専門に行う会社ならいざ知らず、国際取引をこれから始めようと考えている会社では、大多数がその中身を良く知らないのが普通でしょう。

国際契約を作成する場合、二つの方法でこの条約を回避することができると思います。

一つは、契約書中に「条約の適用はない」と記載することです。

もう一つは、条約の適用の余地がないほど、契約書の条項をこと細かく規定することです。

ただ、前者の方法の場合、ウィーン条約中の自分に有利な規定もすべて排斥することになるため、結果的に不利になる可能性があることに注意すべきでしょう。
もちろん、企業経営においては「予測可能性」を高めることがリスク管理として良い方策となりますから、条約すべてを排除することはよく行われています。
しかし、例えば、英米の高圧的な企業から高圧的な契約書を押しつけられ、なおかつ条約その他の国際的取り決めは全部排除された上、米国の州法・連邦法に準拠するというような契約が多数見受けられますが、それが本当に自社にとってリスク回避になっているのか、良く検討してみる必要があるでしょう。

また、後者の方法を取る場合、ウィーン条約の中身を良く知らないと、抜けが生じる恐れがあります。

ですから、実務上、ウィーン条約の適用を全面排除するという前者の方法を用いることが多いのは、ウィーン条約の中身を良く知らないことが原因ではないかと推測できます。

最近、ようやく概説書や実務解説書が揃ってきましたので、一度勉強してみてはいかがでしょうか。

最近の解説書でも良いのですが、私がお勧めするのは、条約発効前の2008年に発売された中村秀雄先生の「国際動産売買契約法入門」(有斐閣、2800円)という本です。




国際取引の基本もわかり、一石二鳥だと思います。

また、条項ごとの解説があり、実務上の例文も入っているものとして、「ウィーン売買条約の実務解説」(中央経済社、4200円、杉浦保友・久保田隆編)があります。




英文と和文の対比がありますので、契約英語の勉強にもなると思います。
ただ、入門というよりは、契約実務を担当されている方向けと言えるでしょう。

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契約実務セミナー

昨日、財団法人日本経営協会の大阪支部様から、今年の5月(25日)に、いつも通り大阪にて、契約及び契約書に関するセミナーの開催の依頼を受けました。

このセミナーは、平成19年(2007年)から毎年2回~3回開催していただいているもので、この5月で10回目となりました。
正式には「契約の基礎知識と契約条項別問題点、モデル契約の分析」という表題になる予定です。

内容としては、契約の基礎、種類及び成立に関する基礎的事項に契約プロセス理論などを加えた第1部、民・商法の各種任意規定と各契約条項の存在意義、各条項の考え方及び規定の仕方など、具体的な条項ごとの解説をする第2部、そしてシステム開発契約1本全部をサンプルとした解説と契約類型別の留意点についての第3部となっています。

全部で正味約6時間を予定しています(10時から17時)が、セミナーの中心部分は、何と言っても上記第2部の部分になります。

この第2部では、契約条項の例を15例ほど取り上げます。そして、その条項に関わる民商法の規定の意義を説明した上で、契約条項例が存在する理由及びその条項例の問題点を探り、その条項例をどのように修正していくべきなのかを、詳しく解説します。

また、最後のシステム開発のモデル契約の解説では、上記第2部の検討を踏まえ、その復習を兼ねて、全体を通して見ていきます。
その中では、システム開発関連会社にいた時の経験と実例を踏まえた実務的な内容になるよう心がけています。

でも、第2部に時間を取られて、第3部に割く時間が短くなってしまうことが多く、終わった後はいつも反省です。

今回は、うまくいくでしょうか?

ちなみに、株式会社andTech(アンドテック)さんというセミナー運営をされている会社さんの主催で、「Q&A形式で学ぶ契約書の基礎と具体例に学ぶ契約条項のツボ・トラブルシューティング」と題したセミナーを、2月23日に川崎市で行う予定になっています。

こちらは、全体で正味4時間半と、少し短く(10時半から16時)なっている関係で、日本経営協会さんの内容とは多少違ったものになるとは思いますが、どちらも契約作成のキーポイントの説明ということでは同じだと考えています。

景気低迷もあり、総じてセミナー受講者は減少しているようですが、できれば多くの皆さんに聞いていただけたらと思っております。

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国際契約と国内契約

英文契約は、通常国際間取引に関する契約を意味します。
インターネットの発達等により国際取引の垣根が従来にも増して一層低くなっている昨今、中小企業を含め多くの企業にとって国際契約は避けて通ることのできない課題だと思います。

そこで問題となるのが、「英語」と「契約(法)」の二つです。

「契約書」の内容をどのようにすべきかという点について、そもそも日本語の場合であっても、多くの企業でまだそれほど習熟しているとは言えない状況にあると感じられます。それに加えて、「英語」の壁。

英語について言えば、最近の英語教育が「会話」を重視するあまり、従来日本人が得意としていた「英文法」が逆に不得意になってきているように思います。TOIECの高得点者でも、Listening部門で満点を取っていながら、Reading部門では450点に届かないという方もかなりいらっしゃるようです。
(まあ、英米の高校生が書くEメール自体相当文法的に誤りが多くなっているという話も耳にしますので、日本に限ったことではないかもしれませんが)

そんな中で、如何にして、「国際契約=英文契約」を処理していくか、非常に難しい課題だと言わざるを得ません。

でも、一番大事なことは、実は英語ではなく、「契約的なものの考え方」にどれだけ習熟できるか、ということだと考えています。

英語ができなければ、翻訳者に任せればよい。
でも、ビジネスをどうやって作っていくか、その中でリスクをどうやって減らしたり管理したりするか、ということを、翻訳者は教えてくれません。
そして、ビジネスの構築とかリスクの抽出などの重要性は、日本語の契約を作成する場合とあまり変わらないと思うのです。

だから、企業として心掛けるべきは、英語の前に、「契約」のイロハを多くの人がしっかり学ぶ、ということだと思います。そして、たとえ英語があまりできなくとも、契約を熟知した社員に、英文契約業務を担当させるべきでしょう。
逆に、単に英語ができるからといって、契約に関する考え方を知らない人に、英語の契約の作成を任せてはいけません。事業上のリスク、あるいは法的なリスクを理解できない人がいくら頑張っても良い契約書は出来ないからです。

結論的に言えば、英語は、「やはり道具に過ぎない」、ということでしょうか。(終わり)

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はじめまして

はじめまして

寺村総合法務事務所の寺村淳といいます。

英文契約書の作成や翻訳を主な仕事としています。

これから、少しずつ、英文契約書の作成や翻訳などについて
考えたこと、悩んだことなどを、書いていこうと思っています。

どうぞよろしくお願いいたします。

なお、ホームページは、
http://www1.ttcn.ne.jp/solicitor/
です。

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