<追記あり>4月17日、中央経済社から 「一冊でおさえる 英文・和文 契約実務の基本」が刊行

著書のお知らせです。

昨年8月から執筆していた本が、4月17日に、ようやく出版の運びとなりました!

   「 一冊でおさえる 英文・和文 契約実務の基本 」
     (中央経済社刊、約300ページ、税抜価格3200円)

<本書の概要>

本書を書くにあたって、次のような方を想定しました

 ・英語ができるからという理由で英文契約業務の担当になったけれど、法学はほとんど知らない、という方。

 ・いままで営業担当だったが、急きょ、海外現地法人に赴任し、総務や法務を行うことになった方。

 ・総務の担当だったが、契約法務も担当するよう指示された方。

 ・貿易実務の担当だったが、英文契約書まで見るように言われた方。


このような法学部卒ではない方、あるいは契約実務の経験がないを想定し、そのような方でも、効果的・効率的に「英文契約実務と和文契約実務の双方」を理解できるよう、和文及び英文の双方を交えて、「債権」「危険負担」といった基礎的な法律用語やキーワードから、
契約実務において最も重要なポイントの解説、さらには、実際の契約チェック・修正実務の考え方などを説明しています。

筆者は、英文契約(国際契約)でも和文契約(国内契約)でも、取引に関する契約で重要なポイントはあまり代わるものではなく、
従って、日本語の契約と英文の契約を区別して学ぶ必要はないと考えています
(勿論、ある程度の英語力は必要ですが)。

英文契約の本を見ると、多くは、英文契約の特殊性を前面に出しているようです。和文契約実務に堪能な方であれば、和文契約と英文契約との「差」「違い」を学ぶほうがわかりやすいということかも知れません。

しかし、企業間の取引契約における重要なポイント、相手から出された契約案についてのチェックと修正を行うべき重要箇所の多くは、国内契約でも英文契約でも共通したものです。

契約は、契約締結後において、企業活動上の具体的な行動指針又は行動準則となるものです。
納入された商品は何時までに検査しないとだめなのか、
その検査方法や基準は誰がどのように決めるのか、
保証期間はどの程度か、等々が契約で定められていなければ、売主も買主も、共に困ることになります。

日本の契約には「不明点は協議で解決する」という定めがあり、これで安心だとする人もいるかもしれません。
しかし、この「協議解決」の条項は法的効力を持たない条項です。
もし、この規定が法的効力を持つものならば、裁判管轄や仲裁の規定は不要なはずですが、ほとんどの契約には裁判管轄の規定がありますし、たとえそれがなくても、裁判に訴える道が閉ざされていると考えている契約当事者は、存在しないでしょう。

実は、このような「別途協議」に委ねることは、将来における紛争発生の種を蒔いているにすぎません。

別途協議して、合意できなかったら、裁判になる

これが協議事項を採用した場合の結論です。

これでは、何のために契約を締結したのかわかりません。

別途協議をする必要がないほどに、契約上でいろいろなことを一義的に明確にしておくこと。

これが契約の最重要ポイントであり、このことは、英文契約(国際契約)であろうと和文契約(国内契約)であろうと、まったく同じなはずです。

今回の「一冊でおさえる 英文・和文 契約実務の基本」は、このような視点に立ち、敢えて英文契約と和文契約を区別せずに、各契約条項のポイントを説明しています。

その内容は、早稲田大学オープンカレッジでの英文及び和文契約実務に関する講義を含め、これまでいろいろなところで担当させていただいた契約実務に関するセミナーを通じて、受講生の皆さんに訴えてきたことでもありますが、逆にこれらセミナーを通じて筆者自身が学んだ成果でもあると思っています。

勿論、そのすべてを表現できたとは考えていません。
上記の趣旨の通り、法学初心者でもわかるように、債権とはなにか、危険負担とは何か、といった基礎的な用語や法律概念についての説明をしている部分も多く、また量が多くなり過ぎれば、かえって読者の理解を損なう結果となるでしょう。

基礎的な内容と、契約の肝といえるポイントの説明がうまくバランスされているかどうか、怪しいところもありますが、足りない部分は別の機会に補充させていただければと思います。

発売日時はまだ確定していませんが、4月中旬から下旬になるようです。(追記→4月17日になりました。)
ページ数は約300ページ、価格は3200円(税抜き)です。

中央経済社のウェブサイトに情報がアップされましたら、また、ご連絡します。

ちなみに、上記の本では英文の文法や単語などの解説は最低限にとどめております。

その点、H28年に刊行されましたアルク社の「はじめての英文契約書の読み方」では、英文自体について丁寧に解説したつもりです。
同書は、皆様にお読みいただいた結果、幸いにも昨年9月に増刷となりましたので、引き続き、こちらもよろしくお願いいたします。


長文を最後までお読みいただき、ありがとうございました。



  
契約書のつくり方      はじめての英文契約の読み方    
  (和文契約実務)     通常書籍版     アマゾン・キンドル版


 -寺村総合法務事務所のホームページ-

〇 英文契約のページ  
〇 和文契約のページ  
〇 総合案内のページ  





関連記事

3月9日(金)受付開始-5月開講「契約書の実務」~早稲田大学オープンカレッジ

また寒さが逆戻り。
昨日までとはうって変わって、今日は7~8度しかありません。

さて、5月17日から5回にわたって中野校で開講される

    早稲田大学オープンカレッジ主催セミナー

 「契約書の実務-契約実務の基礎と条項別問題点の検討

の受付が、今週金曜日(3月9日)9時半から開始されることになりましたので、
お知らせします。

(上記をクリックすると、早稲田大学のウェブサイトへ移動します)

開講は来年2018年5月からで、講義時間は木曜日の夜19時から20時半まで、
計5回です。 (開講日:05/17, 05/24, 05/31, 06/14, 06/21)

なお、英文契約の実務 ― 基本読解編 ―は、
平成30年10月4日(木曜19時から、全6回)から開講される予定です。
(日程:10/4, 10/11, 10/18, 10/25, 11/8, 11/15、木19時)

(「英部契約の実務」講座の概要はこちらをご覧ください)

講義概要は、概ね以下の通りです。

ただ、講義レジメの改訂作業を行っており、大幅なものではありませんが、
講義の順序が変わったり、項目が追加になる可能性があります。

講義の内容は、法学部出身でない方、契約実務に携わって日の浅い方にも
わかりやすいよう、現行法の基礎的概念、基礎的法理を説明したうえで、適
宜、改正民法のうち契約に関連する主たる内容もご説明しようと思っています。


 「契約書の実務-契約実務の基礎と条項別問題点の検討

第Ⅰ部 契約の成立
 1.契約の成立
 2.契約の類型、種類
 3.印紙及び印鑑
第Ⅱ部 契約書の存在意義
 1.契約書の存在意義(まとめ)
 2.公正証書と契約書
 3.「任意規定」に対する特約としての契約~契約自由の原則
  *補足:「定型約款」(改正民法)
 4.取引ルールの明確化によるリスクの固定と予測可能性の向上
 5.リスクの発見と検討のポイント
 6.契約作成時のその他の留意点
第Ⅲ部 条項別検討-1
 1.承諾時期
 2.所有権移転時期
 3.危険負担
 4.保証・瑕疵担保責任(※補:改正民法)
 5.期限の利益の喪失
 6.解除の要件、効果
 7.損害賠償、遅延損害金
 8.不可抗力条項
 9.債権譲渡禁止特約(※補:改正民法)
 10.秘密保持義務
 11.輸出管理
 12.裁判管轄
 13.完全条項
 14.その他(持参債務の原則、費用負担)
第Ⅳ部 契約類型別記載事項及び条項別検討-2
 1.売買・移転型契約(取引基本契約、不動産等売買契約)
  1-(1)検査・検収
  1-(2)立ち入り調査
  1-(3)製造物責任
  1-(4)登記手続
 2.販売店契約、代理店契約
  2-(1)単価(価格)及び支払条件
 3.ライセンス・知的財産権契約(秘密保持契約、ライセンス契約、共同開発契約)
  3-(1)知的財産権に関する紛争
  3-(2)発明・権利の帰属
 4.開発委託契約、ソフトウェア開発委託契約
  4-(1)対価の算定 (補足:下請法)
  4-(2)仕様変更/プロジェクトマネジメント義務





  
契約書のつくり方      はじめての英文契約の読み方    
  (和文契約実務)     通常書籍版     アマゾン・キンドル版


 -寺村総合法務事務所のホームページ-

〇 英文契約のページ  
〇 和文契約のページ  
〇 総合案内のページ  
関連記事