「初心者でもわかる!LawLゆいの英文契約書入門」安保智勇著

中央総合法律事務所の安保智勇先生がお書きになられた
   「初心者でもわかる!LawLゆいの英文契約書入門」(第一法規刊)
を読ませていただきました。
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帯には、「新人法務部員ゆいと学ぶ、英文契約の常識」とかかれ、
表紙は、女性の会社員のマンガ。

まったく英文契約らしくない装丁の新書です。

が、中身は、素晴らしいの一言です。

何が素晴らしいかというと、

1)主要な条項の持つ意味、背景にある考え方を、法務部長と「ゆい」の軽妙な
トークという形をとりつつ、実に上手に解説されておられますが、単に条項の解
説にとどまらず、米国UCC等の根拠を示しておられ、説得力に富むこと、

さらに、

2)単なる条項解説にとどまらず、すべての条文で、修正の考え方が示されてい
ること、です。

修正の考え方を示す過程で条項の意味を解説することにより、いっそう条項の
意義を理解できるということもありますが、加えて、その多くは、英文契約の修
正の現場で実際に使える考え方や方法だ、ということが、この本の意義を高め
ていると思われます。

なお、安保先生は、完璧な和文英訳を作成する)ためには、1)法制度に対す
る理解、2)IT等の業界専門用語、そして3)語彙力(語彙に関するセンス)が揃
うことが必要、と言っておられます(p141)。

小職のセミナーでも、「法制度」「契約技術」「業務の内容」「英語」の4つの交点
が英文契約だと説明していますが、この本は、さりげない会話の中で、これらを
上手に織り込んでいるように思われました。

ただ、契約の修正案を「ゆい」がすらすらと英語化するなど、上記のような修正
対応の内容も多く、法的な考え方と英語力の双方から見て、「入門」という割に
は、かなり高度なものだと思われます。
従って、これまで英文契約に携わってきたベテランにとっても非常に有益な本
だと思いますが、逆に、日本語の契約にもあまり馴染みのない方にとっては、
少し難しいかもしれません。


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