契約英語の勉強方法-7

前回は、すばる舎の「英文契約書条項文例集」(千代田有子著)をご紹介しました。

今回は、民事法研究会の「英文ライセンス契約実務マニュアル」(小高壽一著)5985円をご紹介したいと思います。



この本は、特許およびノウハウのライセンス契約に特化し、非常に詳しくその条項の解説とチェックポイント、並びに独禁法に関する公取の指針との関係をも記述した、まさに痒いところに手が届く本です。さらに、技術を「供与」する場合と「導入」する場合、つまりライセンサーになる場合とライセンシ―になる場合を分けて、実務の考え方を示している点でも使い勝手が良いものです。

この本を読んでとてもためになる点は、その「厳密さ」です。
特許やノウハウのライセンス契約においては、特に、ライセンスされる技術の範囲、許諾される権利の内容、ロイヤルティの算定方法などにおいて、精緻で漏れのない規定が必要となります。
この「英文ライセンス契約実務マニュアル」では、その部分に関し、非常に細かく具体的な条項例を掲載し、解説を加える形になっており、これを研究することで定義の厳密な書き方などを学ぶことができると思います。
ただ、少し残念なのは、条項例として掲げられたものについて、詳しい解説は為されているのですが、それはあくまで「日本語」で書かれているだけであり、条項例の英文修正例や別例といったものはほとんど記載がありません。

従って、本書は、最初に掲げた「英文ビジネス契約書大辞典」のように、様々な例文から適切なものを選択して使う、という使用方法ではなく、本書をじっくり読むことによって一つの契約書に対する深い理解を得て、それを自ら応用していくことに繋げる、という使用方法になるのではないかと思います。

なお、同書の中で、私が気に入っている一文があります。それは、一口コメントの中の記述で、
「良い契約書はだれが読んでも同じ解釈になる。」
という一文です。
契約書を作る仕事に携わる者は、いつも心に留めておくべき言葉ですね。

なお、同書は、現在第2版になっています。
私が読んで保有しているのは初版で、第2版になって100ページほど増えているようですので、少し内容に違いがあるかもしれません。その点は、何卒ご容赦ください。


-つづく-

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