fc2ブログ

DIS-B-4 英文販売店契約(供給者側)の修正ポイント 4

英文販売店契約の「供給者」側からの条項検討、その第4回目です。
前回は、第2条「Appointment」(販売店としての起用)についてでした。
今回は、その販売店の販売権限についての定めです。

DIS-B-3に戻る

●● DIS-B-4. Sales ●●
(販売)


<検討条文例>
3. Sales.
Distributor shall use reasonable commercial efforts to sell and promote the sale of Products within the Territory.

<和訳例>
3. 販売。
販売店は、本地域において、本製品を販売し、販売を拡大するため商業的に合理的な努力を行うものとする。


<条文の考え方>

●本条の原案では、販売店の販売義務について、「商業的に合理的な販売努力を行う」ことだけが規定されています。

ただ、この契約は、販売店に独占的販売権を認めるものですから、供給社側として、その点をどう捉えるかが、契約修正のポイントになると思われます。


<条文修正の考え方>

●上記の通り、独占的販売権を認めた契約ですので、前の第2条でも触れた通り、供給者としては、本地域において、この販売店に全力で頑張ってもらわないと困ることになります。
本地域では、この販売店以外に本製品を売ることは(たとえ供給者自らであっても)できないためです。

●従って、まず原案の最初の部分は、「commercial efforts」ではなく「best efforts」とすべきと思います。ただ、この修正に対して、相手方からは、「commercially reasonable (best) efforts」などの再修正が出てくる可能性があると思います。

●次に、相手は独占権を持っているのですから、年間の最低販売高・数量(最低購入高・数量)を決めるべきです。

★ 「最低購入高」は、 “minimum purchase amount”、最低購入数量は “minimum purchase quantity” といった表現となります。

●さらに、この最低購入高・数量に達しなかった場合、この販売店の地位をどうするのかを定めるべきです。
ここでは、年間の購入数に達しなかった場合には、まず、その不足分を、供給者に補償することを販売店に義務付けています。また、それと同時に、販売店に何らの補償を行うことなく、この契約を解除できる旨の定めを加えています。


<英文修正例>

3. Sales/Minimum Purchase Quantity.

a. Distributor shall use reasonable best commercial efforts to sell and promote the sale of Products within the Territory.

b. Distributor agrees to purchase each type of the Products from Supplier in the quantity not less than XXXX units for any Contract Year throughout the term of this Agreement (hereinafter called the “Minimum Purchase Quantity”).

c. In case Distributor fails to purchase the Minimum Purchase Quantity for any type of the Products for any Contract Year, Distributor shall compensate for the shortfall of such Minimum Purchase Quantity to Supplier, and, in such a case, Supplier may terminate the Agreement without any compensation, or without any liability, to Distributor.

<修正例の和訳>

3. 販売/最低購入数量

a. 販売店は、本地域において、本製品を販売し、販売を拡大するため商業的に最善を尽くす合理的な努力を行うものとする。

b. 販売店は、本契約の全期間を通じ、各契約年において、製品類型ごとにXXXX個(以下「最低購入量」という)以上、本製品を供給者から購入することに同意する。

c. もし販売店がいずれかの契約年に、いずれかの本製品類型の最低購入量を購入することができなかった場合、当該最低購入量に対する不足額を、供給者に補償するものとする。また、この場合、供給者は、何ら販売店に補償することなく、また販売店に何ら責任を負うことなく、本契約を解除することができるものとする。


------------------------------

   ★ なお、上記c号のような「いきなりの解除」を定める代わりに、次のように、ある1年間での未達の場合、まず「独占権をはく奪」し、翌年以降も未達が継続した場合に初めて、契約を解除できる旨の定めを置くことも考えられます。

<最低購入量の未達の場合、非独占的販売店への格下げを入れる場合>

In case Distributor fails to purchase the Minimum Purchase Quantity for any contract year, Distributor shall compensate for the shortfall of such Minimum Purchase Quantity to Supplier. And in such a case, Supplier may disqualify Distributor as an exclusive distributor and relegate to a non-exclusive distributor of the Products in the Territory. If the Distributor fails to purchase the Minimum Purchase Quantity for any three (3) consecutive years, the Supplier may terminate the Agreement without any compensation to the Distributor.

<和訳>

もし販売店が各年間最低購入量を購入することができなかった場合、販売店は、当該最低購入量に対する不足額を、供給者に補償するものとする。
また、この場合、供給者は、本地域内における本製品の販売店の独占権をはく奪し非独占的販売店に格下げすることができるものとする。
販売店が3年連続で各年間最低購入量を購入することができなかった場合、供給者は、何ら販売店に補償することなく、本契約を解除することができるものとする。




 (DIS-B-3に戻る
 (DIS-B-5に移動する


 (秘密保持契約(NDA)第1回へ移動する
 (販売店契約(販売店側からの検討)第1回へ移動する


※ なお、この販売店契約例の修正前の英文契約全文とその和訳は、弊所のウェブサイトに掲載されています。
以下のサイトにアクセスしてください。
 → 英文販売店契約例2全文



-英文・和文契約書の専門事務所-
寺村総合法務事務所


ホームページ
〇 英文契約のページ  
〇 和文契約のページ  


にほんブログ村
にほんブログ村 英語ブログ 英語で仕事へ にほんブログ村 経営ブログ 法務・知財へ